「ここに来たってことは、悩んでいるんでしょ?」

「はい・・・」

「もうあらかじめ調べさせてもらったわ。奈々ちゃんと蓮くんのこと。」

そんなことまで出来るんだ。


「何があったのか詳しく話してくれないかしら?」

あたしは静かに頷いた。


「蓮とあたしは幼なじみなんですけど、そのせいでお互い嫌な想いが多くて・・・だから蓮に幼なじみをやめるって言われたんですけど・・・」

「けど・・・?」

「急に抱き締められて・・・キスされたんです。でも、ごめんって言われて・・・なんか意味分かんなくて、結局考えちゃって。」


知穂先輩は何か考え込んでいる様子で、ゆっくりと口を開いた。


「どうして?」

「え?」

「お互い嫌なんでしょ?そんな人、放っておけばいいじゃない。」