「そんなことない!これはあたし自身の問題。」

「嘘つくなよ!奈々が嘘ついてるのぐらい、すぐわかる。何年一緒にいると思ってんの?俺らは家族並みにお互いのこと知ってるはずだろ?」

蓮は優しくあたしの頭を撫でた。


「もう泣くなよ・・・。奈々の泣き顔なんて見たくない。」

「うんっ・・・わかった。」


いきなり蓮があたしを抱き締めた。

その瞬間、さっきの記憶が蘇って・・・恐怖に包まれた。




「・・・嫌っ!」

あたしは蓮を拒否してしまった。


2人の間に気まずい空気が流れる。

今までこんなの経験したことが無いから、どうすればいいのかわからなくて・・・あたしはとりあえず俯いた。