もうだめだ・・・そう思って目を固く瞑った。

バタッ

後ろで何かが倒れた大きな音がしたのと同時に、抱き締められている感触が無くなった。


恐る恐る目をゆっくりと開いてみると、そこには・・・

「・・・侑斗。」

美咲の彼氏の侑斗が居た。

地面にはさっきの男子が倒れている。

侑斗が助けてくれたんだ・・・。


「ありがとう・・・。」

恐怖から解放された安心感で涙が止まらない。


「奈々!」

あたしが泣いていると蓮が来た。


「後はお前に任せるわ!じゃあな。」

侑斗はあたしと蓮を残して帰っていった。


「ごめん・・・」

「なんで・・・蓮が謝るの?」

「俺のせいなんでしょ?奈々がこんな目にあったのは・・・。」