と、言う事で、俺は友達に誘われたと言う事を口実にし、ツツジと町に行った。
ツツジは記憶を失ってからずっと病院にいたからか、知らない物が多く、
興味心身だった。
「ちょうちんデカッ!」
雷門を前に、ツツジが見上げて言う。
「東京ってでかい物ばっかだ。」
ツツジに続いて、俺も一言呟く。
ゲームセンターに行って、一番にした物。
それは・・・プリクラ。
健と二人でとったことがあるから多少の操作は知っている。
「何だ、ここ。」
「思い出作りに最適の場所だよ。ほら、中入ろうぜ。」
中に入って撮った結果、かなり上出来な感じだった。
「これ、どうすんの?」
「自分の好きな物とか、携帯に貼るんだよ。」
「へー・・・。」
プリクラを眺めながらいろいろな所を歩き、気付けばもう夕方。
病院まで送ってやると、ツツジが振り返った。
「写真、大事にするよ。」
優しい声。
聞いているととてもウトウトしてしまう。
家に帰った後、何も書いていない中学の寄せ書きに、2人で撮ったプリクラを貼った。