両想いという言葉が浮かんで、俺は椅子から落ちそうになる。

「ガチで?マジなの?」
「うんさ。だって、好きって言われて嬉しいから。」

ツツジは嘘をつかない。
だから、そう言われると嬉しかった。

思い切って言う事の良さがこの場で実感できる。

もうこれは幸福の絶頂と言ってもおかしくないだろう。
・・・そう、有頂天になっていたときだった。

カシャッ

これは、明らかにカメラのシャッターが閉まる音。
今では光が出ず、音だけで取れるカメラがあるから、多分それだろう。

でも・・・何でだ?
カメラを撮られて悪い事も無いが、それでも気になる。
一瞬弘だと思い、隣の部屋に行ってみるが、そこには真央しかいない。

「誰?」
「あ・・・弘の後輩なんだけどさ、弘、来てねぇか?」
「弘君?今日は実験で来れないって。」
「そう・・・」

確かにそうだ。思えば、大体弘が写真を撮る理由もないし、多分興味もないだろう。
なら・・・一体誰が・・・・。