「何だよ、改まって。」
「だってさ、ユウがいなかったら、僕は寂しかったし、怖かったし。毎日が楽しく過ごせなかったから。こっからの眺めみると、いつもそうおもうんだなぁ。」
それはこっちの台詞だっつうの。
そう思いながらツツジの話を聞いていた。
俺だって、ツツジに会わなかったら、このまま高校生活を寂しく終えていただろうし、本気で好きと思ったこともなかっだだろう。
・・・ただ、その『好き』と言う気持ちは、ツツジには微塵も伝わっていない。
一度抱きしめた事があったが、ツツジがノーリアクションだったため、多分意味が分からなかったのか、そのことについても忘れてしまったようだ。
それじゃあ、俺の気持ちは伝わっていない事になる。
このままで終わらせたら、気持ちが伝わらないまま、ツツジは死ぬ。
あの親達2人にも、友達としか言えないまま終わる。
・・・そうなるくらいなら・・・当たって砕け散ってやるッ!!!
「ツツジ・・・。」
「?」
「悪ィ。」
「へ?どうし・・・」
どうした?そう言わせる前に、目を閉じてゆっくり口付けてやった。
唇の柔らかい感触が全身に伝わってきた。
ツツジがもし俺のこと好きじゃなかったら、ここで諦める。
それぐらいの覚悟ゆえのキスだった。