ドリィームッ!~夢を叶えろ!Myfriends!~

目が覚めた。教室で寝ると肩が痛い・・・

いつもと変わらない景色、

友達と喋っている奴、教室で走り回る奴、雑誌を読んでるやつ・・・

俺は何もしない、したくない・・・・

みんな当たり前のことしかしない。

当たり前のことをして何が楽しいんだ?

そう思いながら教室を出る。

俺たちはまだ高校に入ったばっかりだ。

あ、そうか入ったばっかりだから浮かれてるのか、

と、ぶつぶつ言いながら廊下を歩く。

すると後ろからいきなりたたかれた

「おい!リョウヤ!何ぶつぶつ言ってんだよ!」

と声をかけられる

「あ~カズ…別に」

としらばっくれる。

こいつは俺の小学校からの友達で「希一和耶」っていう奴だ。
               (キイチ カズヤ)
俺のことを「リョウヤ」って呼ぶ。

俺の本名は「響輝亮夜」という。
    (キョウキ リョウヤ)

俺のことを「亮夜」と呼ぶのはカズだけだ

みんな「響輝」とか「響夜」と呼ぶ。

ま、何て呼ばれようが気にしないけど。

「おい!今日も行くんだろ?」

カズが笑いながら言ってくる

「まぁな、お前も今日はこいよ」

「おぅ!行く行く!…あ、俺先生呼んでるから行くわ」

「ん、じゃあな」

そう言ってカズに別れを告げた後、俺はまた歩き出す

俺が向かっている場所。

それは屋上だ

いつもそこでは俺の本性が出る。

とても落ち着く空間

ゆっくり階段を上る。

ドアを開けた。

風が顔に当たる…

嗚呼、この感覚いつも同じ・・・

そしてそのまま屋上にある小さなロッカーを開ける。

その中にある物・・・

それはカズにしか言ってない。

俺の宝物、それは…

俺の宝物にかけていたブルーシートをとった

そこにある物

俺はいつもと同じように取り出した。

それを俺はいつもと同じように弾いた。この曲を

~君がいればなんだっていい、僕の全ては君のもの
君がいれば僕はどんなにつらくても笑っていられる
どんなに苦しくても頑張っていける
だから僕に笑いかけてくれ
お願いだから僕のそばから離れないで
君が好きなんだ
世界で一番愛してる、だから僕の側を離れないで
君は僕の永遠の恋人・・・・

弾き終わった後、いつもと同じ音に安心していた

そう、俺の宝物はこのギターだ。

俺が小学校のとき親に頼み込んで買ってもらった、

メチャクチャ大切なもの。

「あ~あっ!学校つまんねーサボろうかな・・・」

さっきのボケっとした態度とは裏腹にはっきりとした声、

はたから見たらただの不良である。

「お、やってんじゃん!さっきの曲【リズ】の【永遠の恋人】だろ?」

「カズ!やっと来たか、よくわかったな曲名」

「わかるって、お前ギター弾く時絶対それ弾いてんじゃん」

とカズは笑いながら言った。

そう、この曲は俺の一番好きなバンド、【リズ】っていうバンドの曲だ

この曲はあんまりヒットはしていない曲で、よっぽどのファンじゃないと

分からないだろう

俺はこの曲が好きだ、

ま、これは父さんの影響なんだけどな~・・・

小さい時に父さんがこの曲を聞いているのを見て

少しもれて聞こえる音に聞き惚れてたのを父さんがみつけて

それ以来父さんはたくさんの【リズ】のCDを買ってきてくれた。

で、俺はファンになった。そして【リズ】のようにギターが弾きたい

そう思った。

そして俺はこの時、決めたんだ。

日本一のミュージシャンになるって!

でも俺の夢は約一年で粉砕された。

そして、今も粉砕されたままでいる

今はもう、ミュージシャンなんか目指していない・・・

と、いったら俺は嘘をついたことになる。

ミュージシャンになりたい!

だけどそれは無理な夢なんだ・・

絶対にかなわない夢

粉砕された俺の心、

俺はこの出来事をずっと考えていた
「おい?亮夜?どうした!りょーうーや!」

「うるせっ!耳元で叫ぶなっての!」

「いやだってさ・・・・いきなり黙りこむからさぁ・・・」

「あぁ、そうかごめん」

「別に謝ることじゃねぇーんだけどなぁ・・・」

「そうか・・・」

また考えてたのか・・・

あの出来事を思い出すと、今でも心が裂かれるみたいに痛くなる。

「・・・また思い出したのか・・・あれのこと」

カズが言いにくそうに言ってきた。

「あぁ、まぁな・・・でも気にすんな!俺は平気だ!こうやってギターが弾けるだけで
 幸せだからな!」

無理やり笑って見せた俺の顔はカズにはどう見えたんだろな・・・

「そうか、ならいいんだけど・・・」

カズは少し納得のいかないようだったがすぐに笑顔に戻った

「なぁ、一緒に演奏しようぜ!俺のギターもそこに入れてるからさ!」

とカズは言った・・・・って、はぁ?

ここにギター入れてるのは俺だけで・・・ってかこいつギターなんか弾けたの!?

と、いろいろ考え込んでいたのが顔に出ていたのだろう、カズが急に言った

「あ、言うの忘れてた!俺さ~ギター始めたんだ、だいぶ前に、お前ほど弾けないけど
一応弾けるようになったんだぜ!」

カズはニコニコしながら言ってくる

俺は少しずつ状況を理解していった

そして整理がついて最初に俺が言った言葉、

「よっしゃぁぁぁぁ!」

だった、カズはびっくりしていた。

そりゃそうだろうな~

黙ってると思ったらいきなり大声で「よっしゃ~!」だもんな~

でも俺は本気で嬉しかった、これでギターについて語り合える仲間ができたのだと、

「な、なんだよいきなり!変な奴だな…ま、それはともかく!演奏しようぜ!」

「おぅ!お前【リズ】の【君しか見えない】弾けるか?」

「ああ、弾けるぜ!それ弾くのか?」

「いいだろ?あの曲はお前にぴったりだしww」

と俺は言った、するとカズは少し照れくさそうに「まぁな」と笑って見せた。

「んじゃ、いくぜ…1、2,3、・・・」

この合図で2人の演奏が一気に始まった。

・・・君に届けたい、この気持ちを!
君にしか届かないこの気持ち、君は受け取ってくれるだろうか?
僕の心は君だけの物
僕はもう君しか見えない!
だから君も僕を見てくれ
僕は待つよ
君が僕を見てくれるまで、
この気持ちは君が見てくれるまで
大切にしまっておくから・・・・

歌が終わった・・・・

「お前、うまいな!」

俺はカズに言った。

文句無しでうまかった。

「お前も歌とギター半端なくうまいな!」

カズは照れながら言った

この曲は、【永遠の恋人】の前に作られたものだ。

バンドのメンバーが告白して、「考えさせてくれ」と言われた後に

即興で作った歌らしい・・・まぁ、意味は歌詞どうりだなww




「なぁ・・・亮夜」

カズが何か言いたげな顔をしている

「ん?なんだよ?」

「いやさ、さっきからさぁ・・・みんなが屋上に注目してんだよね・・・」

「!」

忘れていた、ここは学校の屋上で、今は昼休憩で、

俺は一応真面目なキャラで・・・

「やべぇ!逃げんぞ!カズ!」

「おうさ!」

今更逃げても先生に怒られるのは確実だ

でも仕方ない!今は逃げる!

屋上のドアを勢いよく開ける、

そして階段をどんどん駆け降りていく

教室へ駆け込んだ、みんなの視線が俺へと向けられる、

そんな視線を無視し、バックとギター片手に下足へと急いだ。

「おい!カズ!急げ!」

「あいよ!」

下足の方から俺たちを呼ぶ声先生のがした。

でもそんなのにかまってはいられない

「おい、亮夜!アンプはどうすんだよ!」

「あれはあとで取りに行く!」

「じゃあ、今からどこに逃げるんだ!」

「ああ!?んなもん知るか!カズ、お前いい場所知ってるか?」

「ああ、もちろんだ!鳴岸橋の下!」

「んじゃ、ひとまずそこまでいくぞ!」

2人が門の外に逃げ、それを追いかけていく先生。

その光景をじっと見ている少女がいた・・・。
「なぁっ!先生まだ追っかけてきてる!?」

カズは必死に後ろを向いたりして様子を見ている。

「さぁなっ!とりあえず!次どっち!?」

俺たちは必死になって走った
         
捕まれば俺たちの姫(ギター)は王様(先生)に奪われてしまう!

それだけは嫌だ!何が何でも守ってみせる!

・・・ギターが姫で俺たちが平民・・・

で、身分違いの恋?

そんな昔話のようなことを考えていた

何ていうか・・・こんなこと考えてる自分がおかしかった

このことをカズに話してみると

「そうだな!俺たちの姫は守りぬくぞ!」

と、のってきた

「お前そこはスルーしろよ!」

と言うとカズは

「いーじゃんっ!おもしろくてっ!」

と息を切らしながら言っていた




そんな事を話しているうちに先生が近くまで迫っていた!

「こらーっ!響輝!希一!戻ってこんかぁー!」

と先生の罵声が飛んだ。

俺たちはその声で近くにそれも追いつかれそうな距離に

先生がいることを知った。

「おい!亮夜!どうする?王様きちゃったよww」

とカズは面白そうに言う。

「どうするかな~、王様そろそろ追いつきそうだし・・」

「んじゃ、そこ飛び越えってことで~」

とカズは言う。

そこ、とは俺たちの隣にある壁のことだった・・・

「・・・ってムリムリムリ!マジであり得ねぇから!」

俺は全力で否定した、けどカズはもろともしない様子で

「大丈夫!大丈夫!お前ならできるって!」

「オイッ・・・!てめぇっ!」

「はい、いくよぉ~俺の掛け声に合わせてぇ~1、2、3、ハイ!」

カズは俺の否定も聞かず、そのまま飛び越えた。

「だぁぁぁぁ!もうどうなってもしらねぇぇぇ!」

と、俺はそんな大声を出しながら壁を飛び越えた
どたぁ!

と、派手な音を立てて俺は着地した。

「ハイお上手、お上手!よくできました~」

「カズ!てめぇおちょくんな!」

でも、何とか先生から逃れた。

しかしまだ完全に逃げ切れたわけではない。

俺たちはまたすぐに走り始めた。

「なぁ!亮夜!」

とカズはいきなり言いだした。

「なんだ!?カズ!?」

俺は今は知ることに精いっぱいだった

「俺と!」

「俺と!?」

カズが何かを決心したように言った。

「俺と!バンド!組まねえか!?」

とカズは大声で言った。

俺は一瞬足が止まった・・・

「オイ、亮夜・・・追いつかれるぞ?」

カズは一度止まった

「俺と…?バンドを組む・・・?」

「ああ・・・そう言った」

俺は頭が真っ白になった・・・。

「とりあえず、今は逃げようぜ・・・」

とカズは言った。

俺はその通りにその場から逃げた。

そのまま目的地に着くと俺たちは腰を下ろした。

「ふぅー!やっと逃げっきたかぁ~」

と、俺たちは言いあった。

そのあと、俺たちはずっと黙っていた・・・。

そしておもむろにカズは口を開いた。

「なぁ・・・さっきの話だけど・・・」

俺はとうとう決心する時が来たのか、と思った。

「やっぱり、俺とじゃ、嫌だよな!ごめん」

とカズは言った。

俺は頭の中が熱くなった・・・

「誰が!」

カズはこちらを向いた。

「誰が組まないって言ったんだ!?」

俺は感情に任せて言い放った。

「俺とお前で!バンド組んで!ミュージシャンになんぞ!」

と俺は言った。

カズはしばらく唖然としていたがしばらくして

「ああ、ありがとう・・・」

と、泣きそうな顔で言った・・・。

「おいおい、泣くなよ!」

「泣いてねえし!」

その時決まったんだ。

俺の夢は、やっぱりミュージシャンになることだって!

そしてその時、俺たちのバンド、

「cool☆star」が誕生した・・・。