俺の宝物にかけていたブルーシートをとった

そこにある物

俺はいつもと同じように取り出した。

それを俺はいつもと同じように弾いた。この曲を

~君がいればなんだっていい、僕の全ては君のもの
君がいれば僕はどんなにつらくても笑っていられる
どんなに苦しくても頑張っていける
だから僕に笑いかけてくれ
お願いだから僕のそばから離れないで
君が好きなんだ
世界で一番愛してる、だから僕の側を離れないで
君は僕の永遠の恋人・・・・

弾き終わった後、いつもと同じ音に安心していた

そう、俺の宝物はこのギターだ。

俺が小学校のとき親に頼み込んで買ってもらった、

メチャクチャ大切なもの。

「あ~あっ!学校つまんねーサボろうかな・・・」

さっきのボケっとした態度とは裏腹にはっきりとした声、

はたから見たらただの不良である。

「お、やってんじゃん!さっきの曲【リズ】の【永遠の恋人】だろ?」

「カズ!やっと来たか、よくわかったな曲名」

「わかるって、お前ギター弾く時絶対それ弾いてんじゃん」

とカズは笑いながら言った。

そう、この曲は俺の一番好きなバンド、【リズ】っていうバンドの曲だ

この曲はあんまりヒットはしていない曲で、よっぽどのファンじゃないと

分からないだろう

俺はこの曲が好きだ、

ま、これは父さんの影響なんだけどな~・・・

小さい時に父さんがこの曲を聞いているのを見て

少しもれて聞こえる音に聞き惚れてたのを父さんがみつけて

それ以来父さんはたくさんの【リズ】のCDを買ってきてくれた。

で、俺はファンになった。そして【リズ】のようにギターが弾きたい

そう思った。

そして俺はこの時、決めたんだ。

日本一のミュージシャンになるって!

でも俺の夢は約一年で粉砕された。

そして、今も粉砕されたままでいる

今はもう、ミュージシャンなんか目指していない・・・

と、いったら俺は嘘をついたことになる。

ミュージシャンになりたい!

だけどそれは無理な夢なんだ・・

絶対にかなわない夢

粉砕された俺の心、

俺はこの出来事をずっと考えていた