振り向かなくてもその声が、誰のものかは良く分かる。
けれども、無視するわけにもいかなくて、私はゆっくり踵を返した。そこには丁度、視聴覚室から出てきた美虎が居た。
――もしかして、と、思う。
早川さんはここに美虎を呼び出して、告白の返事を聞いたんじゃないかしら。
それが、もちろん良い返事じゃなかったから、泣くために屋上に上がっていった――?
「屋上でお昼ご飯食べてたの。
南と一緒に」
私は頭に浮かぶ根拠の無い妄想を取り消して、いつもの口調で美虎の質問に答えてやった。
途端、にやりと美虎の口の端が歪んで意地悪な笑みを作る。
「へぇ。
教室で食べればいいのに、わざわざ屋上で?」
けれども、無視するわけにもいかなくて、私はゆっくり踵を返した。そこには丁度、視聴覚室から出てきた美虎が居た。
――もしかして、と、思う。
早川さんはここに美虎を呼び出して、告白の返事を聞いたんじゃないかしら。
それが、もちろん良い返事じゃなかったから、泣くために屋上に上がっていった――?
「屋上でお昼ご飯食べてたの。
南と一緒に」
私は頭に浮かぶ根拠の無い妄想を取り消して、いつもの口調で美虎の質問に答えてやった。
途端、にやりと美虎の口の端が歪んで意地悪な笑みを作る。
「へぇ。
教室で食べればいいのに、わざわざ屋上で?」