「もしかしたら玲にも親衛隊が近付いてきてるかもって思ったんだけど。」

「や、特には。」

「うーん。」

「なんだよ、別に親衛隊とか関係ないだろ。俺が隼人といたいからいるんだから、気にすんなよな。」

励ますように隼人の頭を撫でると「玲!」と叫んで、抱き着かれた。
本当におっきなチワワみたいで可愛い。最早動物扱い。


「でも、もしかしたら玲にも親衛隊出来るかもな。なんてったって美男子だし。」


うんうん、と頷く彼に「いやだよ。」と、首を横に振った。

だって、誰かわからない奴に影でこそこそ何か言われているだなんて考えただけで不快だ。


「まあ、そうなったらドンマイだな。」


「他人事かよ。」

「ううん、仲間が増えたら嬉しいじゃん。」


にかっと白い歯を見せて無邪気に笑う隼人は、恐らく今まで本当に独りぼっちだったのだと思う。

だから無愛想な西園寺と一緒にいるしかなかったんだろう。


だったら私が傍にいてあげようと思う。
隼人がそれを望んでくれるのならば。