確かに見た目はとても整っていた気がする。
でも、王子だなんてそんな甘い雰囲気じゃなかったよな。や、でもクールなのか。じゃあなんで王子なんだ。よくわかんないな。
「しかもそれで生徒会長とかやってるから、知らない奴はいないよ。」
「へえ。」
生徒会長。あいつが?
いや、全く信じられないな。
「お。噂をすれば。西園寺!」
別にそんな大声を出さなくても聞こえるだろ。
西園寺もそう思ったのか、うざったそうに隼人を見た。
「なあ。俺、天宮と仲良くなったんだ。西園寺も仲良くなれよ。すっげえ良い奴だぜ。」
その言葉に、席についた西園寺がこちらをちらりと見てきた。
うん、確かに。格好良いのかもしれない。
奥二重の切れ長な瞳は漆黒。
高い鼻に薄い唇。
全てのパーツが整っていて、バランスが良い。
端正な顔立ちを際立たせている短い黒髪。
「なんだよ。」
おまけにその声は低いくせに、甘い余韻を残す。
確かに色気がある。男のくせに、歩く凶器だ。