教室に戻っても、やはりこちらを見る強い視線から免れる事は不可能だった。
「なあ。なんでみんなこっち見てくんの?」
いい加減見せ物みたいなこの状況が嫌で、隼人にそう尋ねると罰の悪そうな顔をされた。
「んー…。凄く複雑な心境だと思うけど、ひとつめは、玲が綺麗だから。男にそう思われてるってなんか嫌じゃね?」
「まあ、そういう目で見られてるって事だもんな。」
「うん、そういうこと。んでふたつめが、俺と一緒にいるから。俺さ、認めてないけど!女みたいなナリしてんじゃん。認めてないけど!だからさっきみたいに男にちょっかい出される。」
うなだれる隼人を見て、それこそ複雑な心境になる。
だって、女みたいじゃないよ。なんて言えない。フォロー出来ない。
実際可愛いのは確かなんだから。