あわてて電話した、リリリ・・・けたたましくベルが騒ぐ。

「はいカフェモンタンです」「あの先ほどかさを忘れたものなんですが」

「黒と茶色のチェックの傘忘れてなかったですか?」「ありますよ」

「とっておいてもえますか?明日とりに行きます」「ではお預かりしますのでなるべく早めに来てくださいね」

そういうと受話器を置いた。

危なかった、美穂との思い出がひとつ消えるところだった。

次の日、傘を取りに行くと美穂そっくりの女性が店員でいた。

一瞬目を疑った(美穂?)

「どうかされたんですか?」「いえ、あまりあなたが僕の知ってる人に似ていたので」「そうですかよくある顔なんですかね?」「そうかもしれません」

「あ、それはそうと傘どうしましたか?」「傘ありますよ大切にとってあります」

「よほど大切なものなんですね、あんなにあわてて電話してくるなんて」

「ええ、形見なんです。」「まあそうでしたか」「私も昔姉をなくしたから気持ちわかります」

「大切に使ってくださいね」そういいながら店員はそっと傘を手渡した。

それが瑠璃と僕との最初の出会いだった