「ちょっと話がしたかったんだ。
杏ちゃんは俺の事分かんない?」
「分かるわけないでしょ。
アナタ昨日から馴れ馴れしい」
杏ちゃんは俺をスルーして
家の門を開けて中に入ろうとする。
「三坂春って言ったら?」
杏ちゃんの動きが止まった。
やっぱりまだ俺を覚えてる…
「今、何て?」
「俺が三坂春だって言ったら
杏ちゃんは俺に優しくしてくれる?
あの時みたいにさ…ねぇ?」
「アタシをからかってるの?
春はアナタみたいな人じゃないわ…
名前が同じだからって一緒にしないで」
「確かに俺変わったよね…
でも、この傷は変わらないよ」
俺は服を捲り腰にある傷を見せた。
「…とりあえず入って」
俺は中に通された。