「沙耶っ!沙耶っ!ギブッ!もぉ無理…っ」


これ以上走れませ~ぇんっ

めっちゃ乱れる呼吸。



話に夢中になりすぎた…




「じゃぁ終わろっか!丁度キリいいしね」


「う、うん。ありが…と…っ」


くっ くるしーっ!



膝に手を付くあたしとは違って、呼吸ひとつ乱れない沙耶。


ちょーぉ涼しい顔っ!

ふわふわな笑顔もキープのままっ!



恐れ入ります沙耶さま。

さすが、中学校時代に陸部のエースだっただけあるわ…



そんな子と同じペースで走るなんて

そりゃムリあるわ!


よく頑張ったな、自分。



「奈々っ奈々っ!」


沙耶に体育着の裾を軽く引っ張られる。