瑠可さまの血を輸血して……全身の傷口もふさがり始める。



 脅威的な回復力。



 心音も容態も安定はしているが…意識は戻らない。



 カイザーさま(ヨシ)も怪我はしているが…意識はあり…ガラス越しにヴィー
ナスさまとともにマスターさまの様子を心配そうに伺う。



 私はマスターさまの元を離れ二人に容態に説明。



 「峠は越えました…」



 「そうか…俺がヤッキーに頼んだばかりに…」



 「マスターさまには瑠可さまの血液を輸血しました。ファラオさまには先にお
話しましたが…瑠可さまの血を輸血したマスターさまには四神の力が宿ります。
絶対神として力が…。神の神…となられるのです」



 「神の神?」



 カイザーさまは低い声で神妙に呟く。