こいつ……また迷ってやがる…。



 亜希良の表情はまるで迷子の子供…。



 俺が居るもの…忘れて右左と辺りをキョロキョロ…。


 そして、俺の胸にコツンと体当たり…。



 「こんなとこに壁??」


 亜希良は俺の胸にあてた額を押さえる。



  壁って……。


 「おい?亜希良…俺のこと完全に忘れているだろ?」



 「あ…ヤッキー…!?」