すっかり積もってきた雪に、ザクザク、と足音を立てながら歩いていく。


この様子じゃ、電車も止まっているだろう。


私の家から、のり姉の家は、歩いてでも行けるけど、少し遠い。


妖精の手の震えは、少し止まっていた。
震えは止まっても、顔は強ばっている。


…ピンポーン…。


チャイムを鳴らし、返事を待つ。
しばらくして、のり姉が出て来てくる。


「あ、いらっしゃい。あがって?」


「いえ、ここでいいです。」


妖精は真っ直ぐのり姉を見て、そう言った。


のり姉は、上着を着て、外に出た。


「ごめんね、気つかわせて…。でも、もうええんよ。はじめから、生徒と教師の恋なんて、良く無かってん。」


のり姉が俯き加減でそう言う。


「違う!僕のせいなんだ!!」


妖精は、決意を決めた。


「光太くんのせい……?どうゆう事?」


のり姉は不思議そうに妖精を見ている。
妖精は、拳をギュッと握りしめた。