「ミッキー。ごめん…着いてきてくれる?」


「え…っどこに?」


そう言った途端、ギュ…と、手をつかまれた。


「ヒ…ヒカル?」


いきなりだったから、びっくりした。


でも…照れる余裕は無かった。
妖精の手は震えてたから…。


「僕…桜井先生に気持ちを伝えるよ。それで…スッキリするから。そうすればこれから…ブラザーや桜井先生、ミッキーにも、迷惑かけなくて済む。…もっと早くにしとけば良かったね。」


そう言って妖精は笑った。


…無理しなくてもいいのに。


「大丈夫なん?」


「うん、ミッキーがいるからね」


妖精は、重いはずの足を動かし、玄関に向かっていく。
それでも妖精は、のり姉の家へ向かって歩いていく。