「ミッキー、一緒に帰ろうか。」


「え…ああ、うん。」


反対方向のナオは、手を振って帰っていった。
妖精は、今日は小杉を連れてきていないみたいで、自身で歩いていた。


しばらく歩いたけど、沈黙が続いていた。


「…なにを怖がってるんだろうね。」


「え?」


妖精が沈黙を破った。
…怖がる?なにを?


「あの、小野田くんって子が羨ましいなあ。」


…ああ、告白の事。


「じゃ、アンタもラブレター書いたら?」


「読まないと思うよ?」


「そうかな?」


または、読まなかった振りをするかもしれない、と妖精は言った。


…彼氏の、弟だもんね。


「面と向かって言うよ。まだ、充電中。」


「何を?」


「…勇気?」


そう言って、妖精は笑った。