「多分、今週…試合なのもあるんだと思う。」


ナオが言う。


「試合って?」


「手紙に書いてた…。今週の土曜日に試合するから、良ければ来てほしいって。」


なるほど…試合でカッコイイとこ見せようって魂胆ね。


「ミッキー、その言い方は無いんじゃないかい?」


え?なに、私…口に出してた?


「ナオ、行くの?」


私がそう言うと、ナオは俯いた。
もしかしたら、どうしたらいいのか、まだ分かっていないのかも知れない。


「嫌なら、断ってもいいと思うよ?」


ナオは首を振った。


「嫌じゃない…」


そう言って真っ赤になるナオ。…か、可愛い。


「もし行くなら、僕もミッキーも一緒に行くよ!」


「え?私も?」


「どうせ暇だろう?」


「や、暇やけどさ…勝手に決めんのは止めてくれへんかな。」


妖精は私の台詞を無視し、ナオの肩をポン、と叩いた。


「まずは、相手を知る事から始まるんだよ。」


そう言ってウインクした妖精。


「キモッ」


妖精がこちらを向くと、私は目を合わせないように目線を移した。


妖精は、他人の恋に首つっこんでる場合じゃないでしょうに…。
のり姉の事、どうするつもりなんだろう。