「そうそう!それで、もうひとつは、文化祭の演劇で、主役を演じた二人は結ばれるって。けど、優勝が条件ね!」


…なるほど。


っていうか、なんで恋イルカを見たの、知ってんの?


「ごめん…。覗いてた!」


桃子は悪びれる様子もなく、笑って言った。


「私達が何話してたかは…」


「それは聞こえなかったけど。」


…それなら、いいか。


「で、皆に話したら、『あいつらくっつけよーぜ』ってなって…」


「もう!桃子っ、喋りすぎ!!」


ナオに口元を押さえられて桃子は黙る。


「お化けやしきだって。入ってみる?」


夏男が話を割るように、おばけ屋式を指さした。


「いく、いくぅー!」



桃子は張り切って中に入って行った。
ナオ、そして夏男も入って行ったので、私も入ろうとした。