私と妖精は学校近くのコンビニで買い物をしていた。
ヤツは五百円分のバウムクーヘンを買っていた。


「何でバウムクーヘン…」


他のも買えばいいのに。
ヤツの考えている事はさっぱり分からない。


「貴族はバウムクーヘンを食べるって決まってるんだよ」


お前は貴族か。
てゆうか、そんなんはじめて聞いたわ…。


私は呆れた顔で妖精を見る。
その時、どこからか聞きなれた声がした。


「なあ、ソーメン。お菓子どれにする?」


……兄貴だ…。
兄貴もお菓子買いにきたんか…。


それより、ソーメンって…。


「待てよ、ワカメ。」


…え?染五郎さん??
なんで、染五郎さんと兄貴が一緒に…。


私が不振に思い、二人を見ていると、兄貴はこちらの存在に気付いた。


「ん?我が妹ではないか」


「人違いです」


私は兄貴を無視して逃げた。
こんなヤツの妹なんて知られたら、染五郎さんに何て思われるか…。


「ちょっと待てよ」


兄貴は似てないキムタクのモノマネで私を呼ぶが、私は無視し続けた。