「ミッキー。今チラ見したね。」


妖精がこちらに近付いてくる。


「チラ見は男のロマンって兄貴が言ってたわ」


ミッキーは男じゃないだろう、と唾と飛ばされた。


「ところでこの白馬の名前何ていうん?」


「ん?ケインだよ。」


「じゃ、小杉って呼ぶわ」


そっちのケインなのかい?
と妖精は首を傾げる。


私と妖精は小杉に乗った。
馬に乗るのは初めてだ。


パカラパカラ…


うん、悪くないな。
乗り心地は……。


でも、皆に振り返って見られるのはかなり恥ずかしい…


「…ねえ、ミッキーは…」


妖精の声は、いつもと違って聞こえた。


「何でもない」


……?何だコイツ…


私が妖精の態度がおかしいのに気付いた時、小杉の足が止まった。


「着いたよ!ミッキー!!」


いつもの妖精の声と態度。私は妖精の家に着き、辺りを見渡した。


「………なんじゃこりゃ。」