「ええわ。後で何要求されるか分からんし。」


私は手にアゴをのせた。


「僕を見返りを求める男だと思うかい?」


「うん。」


即答で返事をする。


「彼女…もしおったら美人なんやろーなー…」


なんて事を勝手に想像し、落ち込んでる間に集会が終わった。


三時間目は英語。
担当はゴリ。


…体育教師じゃなかったんや…
と、一分程ショックで固まっていた。


授業が始まり、皆が静かにノートを取っていると…


「ゴリーチャー!気分が悪いので保健室に行ってきてもいいかい?」


と、妖精が手を上げて席を立つ。


「はあ?嘘をつけ!お前すげえ元気だろ!!」


ゴリはまた顔を真っ赤にしている。
確かに妖精が具合悪そうにしている素振りは無い。


妖精は胸ポケットの薔薇を抜き取り、ゴリの顔に近付けた。


「そんなに怒らないで…薔薇を一本あげるから」


「いらんわ!!」


即答。
妖精は薔薇を胸ポケットに直した。


ゴリが怒ってるにも関わらず、妖精はそのまま保健室へと向かって行った。


保健室に行くって事は、のり姉の所だよねえ。
私はシャーペンをアゴにくっつけた。


のり姉…大丈夫か……?
そんな心配をしていると、『彼、面白いやろ?』のり姉がそう言っていたのを思い出した。


…ま、大丈夫か。
そう思い私は必死に黒板の文字をノートに写していた。