私は何とか保健室へと着くことが出来たが、走ったせいで体力を消耗していた。


「美希!どうしたの?」


ドア付近で倒れた私を見て、のり姉が驚いてこちらに向かってくる。


「つ…つかれた!」


ゼーハーと、息が荒くなる。


「転校初日だもんね」


いや…それだけじゃない。
絶対、“アイツ”が原因だ!!


と、私は心の中で叫んだ。


「あ!そうそう、美希のクラス1-Aでしょ?岩松光太くんって子、いなかった?」


ゲ……。
一番聞きたくない名前。


私は体を起こし、地べたに座ったまま言った。


「うん、いたよ」


「光太くん、めっちゃおもしろいやろ!?」


ブ……ッ噴出しそうになった。
おもしろいって…あれはギャグなんか!?


いやいや、そんな訳ない、と顔を横に振る。



「楽しくなるといいね」


のり姉はそう言って、ニコッと笑った。


「…うん。」


「光太くんと仲よくね!」


それは遠慮させていただきたいと、心の中で呟いた。