「じゃ、次は初詣行こうー!」


ナオがそう言って、ゾロゾロと歩き出す。


神社は、すごい人。


はぐれない様に、桃子が着ているコートに付いているボンボンを掴む。


「どこ掴んでんの、ミッキー。こっちにしなよ。」


「へ…。」


そう言って、妖精は、手を差し出す。


「きゃー、いいじゃーん。ミッキー。そっちにしなよ!」


「は、はあ…。」


妖精は私の手を握った。


なんなんだ。


最近、私ら、手繋ぎすぎじゃない?
恋人でもないのに。


「ミッキーが迷子になったら困るからね。」


「あんたはお兄ちゃんか。」


そっか。


別に、変な意味は無いんだよな。
残念だけど、贅沢は言ってられない。


「中吉。」


おみくじをひいた妖精が、そう洩らした。


「私、大吉やもんねー!やったー。」


「中吉だって悪くないじゃないか。えーっと、恋愛…。恋敵、来たる?」


…恋敵?染五郎さん?


「産まれた頃から既におるやん。」


と、小声で言う。


「ま、確かに。」


そう言って、枝にクジをくくりつける妖精。


「ミッキー。去年はありがとう。」


「え?いえいえ…。」


「今年は穏やかに過ごせそうだね。」

と、妖精は言った。


…が、そんなに穏やかには、ならない。
それは…もうすぐやってくるから。