「さむっ!」


思ったより寒くて、コートのボタンを閉める。
そして、皆で歩きだす。


ファミレスで長居してしまった様で、カウントダウンまであとちょっと。


「やばい!いそげっ。」


夏男がそう行って走り出すと、皆も走り出す。


こんなに走るの、クリスマス以来かな…。


結構、最近だけど。


チラッと、妖精を見る。


楽しそうに、笑っている。


…本当は、まだ、辛いのだろうか。
無理して、笑ってる?


「どうしたんだい、ミッキー。そんなに僕がかっこいいのかい?」


「別に。」


私は目をそらして、ただ、走る。
そして、目的の場所に着く。


「あ…、10秒前。」


小野田くんが時計を見る。
周りの人達が、カウントを数える。


「5…4…3…2…1…」


カチ、カチ、と、時は過ぎていく。


そして…


「「「ハッピーニューイヤー!」」」


皆で手をあげ、叫ぶ。


「あけましておめでとうございます。」


と、皆に頭を下げる。


「今年もよろしく、ミッキー。」


そう言って、笑う妖精。


「うん…よろしく。」


今年は、妖精の気持ちが、少しでも晴れます様に。