「うふふ♪ここが入口よ♪」

「え?だってそこは……!?」

お母さんの指差す場所は桜の木だった。私は近付いてみると、そこには空間が歪んだ入口があった。

「ま…まさか、この中に入れ!なんて言わないよね……?」

私の予想は当たった。

「その通りよ♪大丈夫、慣れれば何ともないから!」

「いや…慣れたくな…!!」

入るのをためらっていると、後ろからお母さんが背中をトン!っと押した。

「キャッ!」

「おっと…!大丈夫か、真李亜?」

「お…お父さん…。」

私は歪んだ空間を通り抜けると足が縺れて転びかけた。そこを最初に入ったお父さんが支えてくれた。

スルッ

「ん〜〜っ!久しぶりの故郷だわー♪」

お母さんが空間から出てくると大きく伸びをして、子供のようにはしゃぎだした。