「1、2、3、……28、……53、」
「碧ちゃん、よくここまで来れたな。」
「タケさん?家から158歩のとこにあるポストの角を右に曲がったところから53歩、歩けばおじさんのお店でしょ。」
今は家の付近ならひとりで行ける。普通に歩いたら5分もしないタケさんのお店。でも、私が歩くと20分は平気で掛かる。
あの日、視力を失った私は高校も辞めた。本当のことを言えば、みんなと一緒に卒業して、好きな人と同じ夢を見ながら前へ歩きたかった。
でも、無理だって分かってる。諦めなければいけないものもある。
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