「や~、よく似合ってるねお嬢ちゃん。ところで沖田さん。今日はこれからどこかへ行かれるんですか?」

おじさんが満足気な笑みを浮かべながら言った。

「ええ。これから甘味処に連れていってあげようかなと。」

「なら、沖田さんは羨望の的ですなぁ。なんせ、こんな可愛い子連れたはるんですから。しかも甘味処。まさに逢瀬ですしな。いや、羨ましい。」

「あ~、そうかも。これが浪士組のしかも幹部に見られたらすごいでしょうね。ま、見せつけてやりますよ。さ、葵ちゃん。そろそろお梅さんとのおしゃべりは切り上げて行くよ。」

「はい。あの、いろいろ本当にありがとうございました。着物、大事にします。」

「はい、それではおおきに。また、お越しくださいな。」

「また今度。沖田さんも葵ちゃんも。」