「メロンパン、ラスト1個になっちゃった」


架織先輩の言うとおりメロンパンのコーナーを見ると、もうメロンパンが無くなりそう。


まだ今日はメロンパン王子来てないのに、メロンパンが売り切れってなったら残念がるかな?



せっかく来てくれたメロンパン王子に申し訳ない気がして、思わずラスト1個のメロンパンを取り置き。


【売り切れ】の札をメロンパンの上がってたトレイに乗せて、メロンパンは一応完売。



「ルイ、メロンパン王子にだけ優しい」


「王子だから家来が手配してあげないといけないんです」



先輩からの言葉を冗談で交わして、メロンパン王子への想いを探られませんように。




わたしがレジ打ちをしてるとき、メロンパン王子がやっと来てくれた。


メロンパンが置いてある方へ歩き出すと、売り切れの札に予想通りの残念顔。


店を出て自転車へ向かうメロンパン王子に声をかけなきゃ。


そう頭では分かってるのに、声が出なくて明らかに緊張してた。