「初めまして、亜海の友達のルイです」
椅子から立ち上がり、私に挨拶をしたマサトさん。王子様は、お姫様と一緒にいるとお似合い。
亜海とマサトさんは、お似合いでわたしはここにいたくないくらい。
いつも担いでるギターケースがなくて、一段とかっこよく見えるメロンパン王子。
「ルイ、ルイ。ね?カッコイイでしょ。わたしの自慢の彼氏」
亜海の笑顔は満面で、デートのために服装も一段と気合いが入ってる。
一方マサトさんは、崩さない笑顔で亜海を見てて、わたしの演技に加わってくれてる。
「亜海の親友なんだよね?いつも亜海からルイちゃんのこと聞いてます」
アイスコーヒーの氷をストローで回してカラカラと鳴らしながら、亜海は笑顔をキープ。
早くいなくなりたいし、ここから抜け出したい。この雰囲気に耐えられるわけがなくて作り笑顔が歪む。
「亜海もいい彼氏さん捕まえたね。亜海も可愛いし、彼氏さんもカッコイイし、お似合いだよ」
その発言に、わたしの斜め向かえに座ってたマサトさんの表情が曇った。
「ルイったら、言い過ぎだよ」
嬉しいらしく亜海は、わたしの腕を叩く。そんなにマサトさんに惚れてるんだろう。