先輩の髪を巻いてた理由はバイト後のデートのためで、出店を巡るらしい。
わたしはもちろんそんなことも出来なければ、彼氏もできない。
お花見だって、友達に誘われてもバイトで行けないまま。
断るうちに桜も散って、淡い季節も終わる。そんな春が過ぎていくはず。
売れ残りのパンが入った袋を片手にぶら下げて、鳴らない携帯を握りしめてる。
誰でもいいから【彼氏】というものが欲しくなる瞬間。
それは恋することを忘れて、ただ“恋の履歴書”を埋めたいだけ。
友達がわたしにふざけて言った“恋の履歴書”が、頭から離れない。
『ルイは恋の履歴書がないじゃなくて、作ろうとしてないだけ』
それはごもっともで、彼氏がいればいいなとは思うけど実際作ろうとはしない。
今年から受験生になって、恋より進路。自分の将来は、自分で作らなきゃ。
分かってても、それが出来ないから悪循環が続いていく。