ノートのコピーを自分のノートに写して、なんとか提出に間に合いそう。テスト一週間前で、バイトも休み中。



学校の図書館より、公営の図書館の方が落ち着く。知ってる人はいないし、何よりうるさくない。


だけど、緊張してる。わたしの目の前で、龍くんが勉強してるから。



進学校だし、いつもこうやって勉強してるのかな?百華は勉強より部活だし、こんなことないだろうけど。



龍くんの学校はテストがまだまだなのに、わたしに合わせてくれたみたい。


ただ目の前にいるだけなのに、笑顔がこぼれてくるのは龍くんに恋してるから。

それなのに、弱いわたしはいまだに聞けない。龍くんには彼女がいるの?


一言聞けば安心するのに、出来ないから不安なまま。


机を爪でコンコンと叩く音に、ノートから目を離して龍くんを見る。



渡されたノートには、空いてるスペースになにか書いてある。すごい字がきれい。



【この前はメールありがとう。ルイちゃんからだったからすごい嬉しかった】


静かな図書館で私語は厳禁だからか、龍くんはノートに伝言。龍くんに、ノートを返してわたしも自分のノートに返事を書いた。



書いてる姿をじっと見られるのが、こんなに緊張したことはない。



【勇気出したかいがあったかも♪即返ありがとう】