いつもニコニコしながら聞いてた。朝からテンションが高いと、彼氏と良いことがあったって分かった。


それはメロンパン王子、マサトさんとのことだったんだ。


亜海から聞いた話だと、マサトさんは確か専門学生で、理容師を目指してるって話してた。



そのマサトさんは、メロンパン王子だった。それを知ってからは会いたくない。


「ルイも意地っぱりだな。素直に寂しいって言えばいいのに」


腕をぐいぐい押して、わたしに本音を言わせようとしてる。


「人の彼氏は取りませんよ。そしてわたしには好きな人いますから」



お客さんがいないパン屋さん。この時間に自分の恋ばなをするなんて予想外。


「それ本気?てっきりルイはメロンパン王子だと思ってたのに」


目を真ん丸くして驚く先輩に、わたしも驚く。まさかこんなに驚くなんて。



「彼女がいるイケメンには手を出しませんよ。そこまで自信ないですし」


「詳しく教えなさい」



これこそ先輩命令??

ニヤニヤしながら早く聞きたそうにしてる。進路の相談は興味示さないくせに。