先輩の話を聞いてどんな変な人かと思うと、店に入ってきたのは美男子。
俗に言う【イケメン】で、ギターケースを担いで少し重たそう。
案の定メロンパンだけトレイに取って、わたしたちがいるレジへと持ってきた。
近くで見れば見るほど格好良さが分かる。茶髪に際立つシルバーアクセ。
あんなに格好良い人がメロンパンを好物にしてると思うと、なんだか可愛くなってくる。
「ね?ルイも見たでしょ?あんなにイケメンなのに、メロンパンが好きなんだよ。うちのメロンパンが好きなのかな」
先輩は久しぶりに見つけた面白いネタを、嬉しそうに話してくる。
「決めた。あのイケメンは、メロンパン王子」
自分で命名しておきながら、その響きに笑いが止まらなくなってる先輩。
「架織先輩、メロンパン王子ってあんまりじゃないですか?」
次のお客さんが店に来るまで、メロンパン王子の命名について先輩と論争。
先輩に勝つわけもなくて、あのイケメンはメロンパン王子で決定。