「ルイ最近モテ期なんじゃない?メロンパン王子からはチケットもらってるし」
「メロンパン王子はああやっていろんな人にチケット渡してるに決まってます」
わたしだけに特別扱いではない。ただいつも買うパン屋の店員さん。
貰ってしまったチケットは行かないわけにもいかないし、明後日の予定は埋まっちゃった。
「この前なんかバイト遅刻して男の子と遊んでたし。ルイ、モテ期だよ」
あれは龍くんと話してて遅れて、しかも百華が余計なことに架織先輩に言うから。
メロンパン王子も龍くんも、わたしのことが好きなわけないし友達。それをモテ期なんて。
あの日以来龍くんからメールが来るけど、男の子とするメールは新鮮で楽しい。
でもそれは、友達同士だと思ってメールしてるから楽しいんだよね??
寝るのも惜しいくらい、龍くんとのメールを楽しんでるときもある。
「メロンパン王子と優秀な高校生と、ルイはどっちを取るの??」
「わたしは架織せんぱぁい」
先輩からの質問をごまかして、先輩に抱きつく。どっちも取らない。わたしに選択権なんてないし。