「まさかあの百華の友達だったなんて。な、龍?」
「だからな。結局蓮は嘘付き。ナンパじゃなくて、百華探しじゃん」
どうやら百華はこの学校で有名らしい。
最初から“百華の友達です”って誰かに言えば、早く問題解決してたかも。
つんつん頭の方が、輝(てる)くん。黒ぶちメガネ方が、龍(りゅう)くん。
テニスコートに向かって歩いてる中、軽く自己紹介。
「キミは名前くらい教えてくれないの??」
「ルイ。」
龍くんが後ろを振り向いて、わたしに聞く。
下を向いたまま名前だけ。やっぱり男の子と話すのは緊張する。
「ルイちゃんか。漢字はなんて書くの?」
「漢字じゃなくて、片仮名」
どれだけこの学校は広いの?まだテニスコートが見えないなんて。
「うちの学校、OGとかの寄付金すごいから学校設備はここら辺で1番だと思うよ。運動部が頑張ってくれるおかげだけど」
輝くんがこの学校の仕組みを細かく教えてくれる。
「テニスにサッカー、バスケ、駅伝。全国レベルだから、スポンサーって形で卒業生が契約金をくれるんだ。そのおかげで、学校設備がね」