『これから、写真の選別あるから
こまちは先に帰ってていいよ。
疲れたでしょ…お疲れ様。
ゆっくり休んで。
あ…夕飯の支度はいいよ。
ちょっと遅くなるかもしれないけど…
二人で撮影の打ち上げしましょ』
早口で、あたしに耳打ちすると
ケイちゃんはメーカーさん達と
事務所の方へ移動した。
結局…
今日、アタシ、ちゃんと出来ていたのか
聞くことが出来なかった。
ケイちゃんが撮りたかった写真
思い通りに撮れていたのかな…
アシスタントの藤井さんが
玄関まで見送ってくれた。
『こまちちゃん、良かったよ。
仕上がりが楽しみだね…』
…そう言ってくれたから
少し気持ちが楽になって
アタシは、スタジオを後にした。