数分後、
応接室にメイクさんが入ってきた。

『今の撮影OKです、
次の準備しましょう』



アタシは次の撮影用の
タンクトップに着替えて
腕時計や、ネックレスの小物を身に付ける。

メイクさんはファンデーションのパフで
化粧を直し、髪にブラシを入れた。



さっきの撮影
どうだったのか
ケイちゃんに聞きたかったけど…


いつもの和やかな空気とは異なる
この状況では
言い出すタイミングもなかった。




今度のセットは
赤や青の家具を使った
ビビットでカラフルな部屋に
仕上がっていた。


アタシはクッションを抱え寝転んだり
窓辺で外を眺めるポーズをとる。



今回は
『可愛く笑って』とか
『可愛く見上げて』とかいうものだから


テンション上げて
アイドル写真集を演じてみた。

思いのほか
ケイちゃんがノってきた。

…これで、
よかったのかなぁ…



このPOPな雰囲気の撮影も
思いのほかスムーズに進み

夕方、撮影は終わった。