アタシはケイちゃんに背を向け
パーカーを脱いだ。
メイクさんが服を受け取り
撮影が始まった。
『じゃ、こまち少し足開いて
左手は腰ね…右向いて…』
乾いたシャッターの音…
アタシが動くたびに
風が流れるたびに
響き渡る。
照明の位置が変わる
『顔あげて…そう。
カメラは見ないで…
あっ、そのまま。
うんっ!目線そのままっ!
サイコーっ、いいよ…』
周りは気にならない…
かぼちゃ…
ん…やっぱり、
ヌーブラ…イヤだ。
『…ケイちゃん、
ブラ、なんかイヤだ、取る』
アタシはブラを右手ではがし
そのまま、隅へ放った。