乳白色の灯りを放つ外灯が
ぼんやりと歩道を照らしている。
マンション迄の道のりを
瞬くんと並んで歩く。
『…ママ、産まなきゃ良かったって…』
アタシは他人事ように話した。
幼い頃からずっと抱いていた思い…。
テストでどんなにいい点数を取っても
無断で外泊しても
ママは特に何も言わない…
さっき面と向かって否定されたけど
今までも感じていた事だったし
いつか言われる覚悟も出来ていたし。
だから、アタシは
あまり傷ついていないから
大丈夫。
『勝手だよな…』
瞬くんはアタシの歩く歩調に合わせて
少し前を歩いている。
『ん…なんか…寂しいな』
思ったままを言葉にする。
瞬くんは何も言わないで歩いている。
アタシの中に
ギュウギュウに詰まっている
不安とか怒りとか寂しさを
吐き出させようと
待っているようだった。