『ママ、アタシ…戻らない。
ケイちゃんの手伝いは自分の意思だよ。
ママが言うような事は無いから…
学校も辞めたくない。
友達が出来て楽しいの、すごく』
『何よ、こまちまで!
前は口答えなんかしない
いい子だったのに。
ケイに影響受けて
あなたまで生意気なこと言って…
2人してあたしを悪者扱いするのね…』
『ママ…違う!
アタシね、家にあの人がいるの嫌なの。
ニヤニヤしてアタシを見るんだよ…』
分かって欲しい…
ママが嫌なんじゃない。
家に居座るようになった
あの…いい加減そうな男が嫌。
仕事もしないで家にいる。
あんな男の、言いなりになって
しなをつけて甘えるママを
見たくないだけ…
『もういい!』
ママがアタシ腕を振り払った。
『こまちを産んで、あたしがどれだけ
苦労したと思ってんの?
もう、馬鹿みたい…
あんたなんて
産まなきゃ良かった!』
ママ…?
パチン!
ケイちゃんの右手が
思いきりママの頬を叩いた。