ママは感情を剥き出しにして
ケイちゃんを睨んだ。
ケイちゃんの顔つきが変わった。
怒りを押し殺しているのか
低い声…
ママの顔を冷ややかな目で見返す。
『子供を生む事と母親になる事は
イコールじゃない。
姉さんは子供を育てる事より
自分が女である事を優先している…
世間じゃ、それを育児放棄って言うわ』
『あたしの何処が?
食事はちゃんと与えてたし
手をあげた事だって一度もないわ。
一緒にいる時間は無いけど…
でも、それは稼ぐ為よ。
片親なら当たり前だわ』
『叱らなかったんじゃなくて
関心が無かったの間違いじゃない?
子供が寄せる母親への愛情を無視してたの。
これを…放棄と言うのよ』
ママはテーブルを叩き立ち上がる。
『こまち、帰るわよ!
あなたはケイに利用されてんの。
ケイはいつもママの事、無能な馬鹿扱いよ。
どれだけ自分が立派で凄いのよ。
こまちにアメを与えて…恩を着せて、
結果がコレ。裸にして利用してるクセに』
ママは雑誌をケイちゃんに投げつけ
アタシの腕を掴む。
『帰りましょ』
『自分の感情のみ押しつけるのはやめて!
姉さん…
こまちの気持ちを1番に考えるって言うから
この子をここに呼んだのよ…』