『姉さん…違うわ…』
ケイちゃんは悲しそうに、うなだれた。
『高校の学費はわたしが出します。
それは変わらない。
わたしは、こまちに
自信と生きる強さを
身につけて欲しいと願ってるの。
それだけ。
この子は才能にあふれている…
お願い…芽を摘まないで。
今、こまちに手伝って貰ったものは
これから大学や
もしかしたら海外留学とかの費用にと
思っているの…』
『必要ないわ
オンナが大学なんて行ったって
なんの役にもたたない。
ウチで一緒に働けばいい…
お客さんだってついてるんだし。
こまちはあたし似の美人よ。
絶対に稼げるわ。
そうよ…学費の分あるなら
お店直して、もっと高級感出せば
いいお客さんもつくし…』
『待ってよ、姉さん…
子供の夢とか目標が叶うように
応援するのが親心でしょ?』
『何も知らないくせに!』
ママは強い口調で言い放ち
立ち上がる。
『あんたに、何が分かるのよ!
母親づらしないで。
こまちを産んだのはあたしよ。
夜中何度も起こされて…
おっぱいあげて
オムツも替えたわ。
子供産めなくなって
同情してあげたのに…
こまちの気を引いて
母親ごっこしてるだけじゃない』