『だから…利用なんてしていないわ』
ケイちゃんはため息をついた。
『さっきから言ってるけど…
今回の仕事は、
これから、こまちが
色んな経験をしていく中で
何かいいキッカケになればと思って
挑戦してみた事なの。
モデルの仕事だけじゃない。
もっと自分に自信をもって
自分自身を理解して欲しかったの。
お金儲けだけの為に脱いだような…
そんな言い方しないで。
姉さんは…この写真、
そんなふうに見えるの?』
『きれいゴト言わないで!
こんな大企業の仕事もらって…
お金だってそうとう入ったんでしょう?』
『わたしみたいな
駆け出しのカメラマンに
そんな大金での仕事
来るわけ無いじゃない。
こまちだって無名のモデルよ…
それに、このお金は
こまちのこれからの教育資金に使うわ』
『そんなもん要らない…』
『要るのよ、姉さん…』
ふてくされてそっぽをむくママに
ケイちゃんは必死で話しかけた。
『だから!あたしは西陵なんて
行かなくていいって言ったじゃない。
ケイが学費面倒見るって言うから…
いかせたのに。
お金かかるのなんて
わかってたでしょう?
こまちを働かせて、お金作ろうなんて…
ひどい話しよ!』