店を出たのが6時頃だから
もう、2時間も話していたんだ…
時間が信じられないほど早く過ぎる。
バスが来るまで付き合うよ…って
瞬くんが一緒にいてくれてた。
西の空の燃えるような夕日が
2人の影を長く車道まで伸ばしてた。
バックの中で携帯がなる…
ケイちゃんだ。
2人でいるの知ったら驚くかな…
『もしもし…』
『こまち?いまどこ?』
いつもと様子が違う…
ケイちゃんの重く深刻そうな声…
『え…?どうしたの?
今、駅前で帰りのバス待ってた…』
『真っ直ぐ、事務所に来てくれない?
姉さんが事務所に来てて…』
『えっ、ママ?
ケイちゃんの事務所に?!』
…何かモメてるんだ。
『わかった…すぐ行くね』
電話を切り瞬くんを見た。
きっと…アタシ
すごく不安な顔をしたんだと思う。
『スタジオに行くんだね?
オレも行くよ。大丈夫だ』
アタシ達は反対車線のバス停に
急いで向かった。