『うわっ!!まじっ!?
超かわいいし…』


男3女2のグループ…みんな私服だ。
きっと瞬くんと同じ学校…
瞬くんも私服だもの。


『きゃー、西陵の制服じゃない!
才女ちゃんよ。
瞬ちゃーん、どーゆーことぉ?』


瞬くんは、アタシをみて
「クラスのやつら」と済まなそうに言った。


『なんだ、邪魔すんなよ。
2人で仲良くしてんの見たら
ふつう、気ぃ効かせて声かけねーだろ…』


『うそだろ?彼女かよ?!』

『すげぇ、美少女を…ちくしょー
ねえねえ、イケてる僕と遊ぼーよ』



ふざけてる男3人の後ろで

茶髪のショートカットの女の子が
『ちょっと!ミホ!何か言ってやれば』と、隣のセミロングの子に小声で言ったのが聞こえた。

目が合った…

そのコは、スッと下を向き
アタシから視線を逸らした…

瞬くんの事…好きなんだ…



アタシは瞬くんを見た。
瞬くんは、きっと…全然気付いてない。



照れ隠しのように、少し乱暴な言葉で
友達と話してる。


アタシの視線に気がつき
優しい顔になる。

『うるさいやつらでゴメンね。
よし、行こう!』

アタシの手をぎゅっと握って
走り出した。

後方から
冷やかしの言葉が聞こえてきた。

瞬くんは、おかしそうに笑っていた。