『ちょっと待ってて
この本買ってくるから…』
手に持っていた雑誌をアタシに見せた。
『うん。アタシもなんか単行本
買おうと思ってたの。見てくる』
『どんな本?』
一緒に新書コーナーに向かった。
『決まってないの、乱読。
タイトルとか表紙の雰囲気で選んじゃう』
『あぁ…兄さん言ってた…
恐ろしく訳の分からない本を
読みあさってるって…』
『本は好きよ。
知らない未知の世界に没頭出来るもん。
読み始めってわくわくする…
いつも、期待を胸に本をひらくの』
『じゃ、ゆっくり選んで。
気が散るようなら、オレ、
あっちで時間つぶすよ…』
『大丈夫!
…えーっと。…これっ!』
アタシは話題の新書の中から
1冊を取り瞬くんに見せる。
『…それ?早っ!』
『言ったでしょ…乱読だって』
『うん…かなり、ユニークだね…』
アタシ達はレジで会計を済ませて
本屋を出た。